先生
子供の頃、何度か学校の先生の家に友達と遊びに行った事があります。
今、考えると昔は週休二日制ではなく、土曜日も午前中授業がありました。
先生方には貴重な休日なのに、私達は迷惑も考えずにのこのこ出かけたものだと思います。
小学一年の担任の女の先生の家は大きな古い茅葺き屋根の家でした。
いろりで私達におじやを煮て食べさせてくれました。
先生は家では普通のお母さんなんだと思いました。
三年生の時の担任は、新任のハツラツとした青年先生でした。
先生の家は隣町にあったので、私達はちびまる子ちゃん一行みたいにバスに乗って、
ちょっとドキドキしながら出かけました。
先生の家の二階の広い和室には机と本棚があるだけで、
壁に毎日着てくる背広がハンガーにかかっていました。
中学の部活の先生は長身だけど胴長でいつもランニング姿で指導してくれました。
私達の卒業と同時に僻地に転勤になったというので高一の夏休みに部活の仲間たちと行ってみようという事になりました。
汽車とバスを乗り継いで、どんどん山奥のその先まで登って着くと、広い牧場がひらけていました。
バスを降りて探しながら歩いていたら、「久しぶりに、人の話し声がする!」と先生が玄関から飛び出してきました。
夏休みで子供たちの姿もなく一人寂しく職員住宅で暮らしていたということでした。
先生と再会を喜び皆んなで昼食を作って食べながら話しが弾みました。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎて帰る時間になりました。
記念写真を撮ってお別れです。
バスに乗った私達に向かって先生はいつまでも手を振ってくれました。
やはり胴長でランニング姿の先生がだんだん小さくなっていきました。
|
|