病気?
私がはじめて公然わいせつ者に遭遇したのは、
専門学校生のころだ。
学校の活動で帰りが遅くなり寮に戻る為に
皆んなで夜道を歩いていた時だ。
誰かがキャーッと叫んだ、ハッと前をみると、
少し離れた小高い丘の上に何やら奇妙な格好をした人物が立っている。
風が強い日で、その人物の髪やコートが激しく煽られている。
こっちを見ている顔は暗闇の中鬼のように感じた。
私達は一斉に走って寮に逃げ帰った。
皆んなはその男がズボンを履いてなかったとーと言う。
私は幸い近眼と暗闇のため何も目に入らななかったが、こういう人は、
女子のキャー!っという声を聞きたくて、こんな事をするらしい、
病気だろうか? 恐ろしい体験だった。
二度目は卒業して実家にもどり、隣町に就職した私が、早番のため一番電車に間に合うよう、
お墓の側の近道を急いで駅に向かって歩いていた時の事。
爽やかな秋の朝だったのに、ふと20メートル前方の曲がり角に
コートを着た怪しげな男性が、こっちをチラチラ見ている。
周りには誰もいない。女子の勘で、
この男は、公然わいせつ者だと足が止まった。
反射的に回れ右をして少し戻ったが、電車の時間が気になるし、
もう男は居なくなったかもとー前方を見たら、コート男はまだウロウロしている。
遠くからみても確かにコートの下にズボンはない。
私はやっぱり大通りの車が通る道に戻って
走って駅に行く事になってしまった。
この男も病気だろうか?
普通の青年に見えたのに。
彼等は、その後の人生をどう生きているのだろうか。
心に暗く重いものを持ちながら、
普通の社会人として生活しているのだろうか、
それとも破綻した人生に苦しんでいるのだろうか。。。
いいえ、彼等が悪しき習慣と罪から解放される道は
必ずあると私は信じる。
なぜなら、人間の暗闇を切り裂いて光を与えるために
この地上に来られた方が確かにいるから。
ほら、世界中の人々がこの12月、あんなにもあの方の誕生を
光のなかで喜んでいるのだから。。。