聖書【1】
始めて私が聖書という本を読んだのは、21歳の時だったろうか。
母が隣家のおばさんに「うちで聖書の勉強会やるから是非どうぞ」と言われて、
困った母が「あんた行って」と私に振ったのだ。
クリスチャンとか牧師とかってどんな人達なんだろうと少し関心があったので、
私は出かけた。
ニコニコした優しそうな牧師が挨拶してから最初のお祈りをした。
私は始めて、人が声を出してお祈りするのを聞いた。
その牧師は、見えない神をあたかも見えるように祈ったので私はびっくりした。
私の家には仏壇も神棚もなかったので、そもそも人が祈るのを見た事がなかったのだ。
牧師は聖書を読み、その内容を説明してくれた。
確か、イエス・キリストがお腹を空かせた人々の為に
パンと魚を増やしてあげる話だったと思う。
今ならそれは奇跡の話だとわかるが、その時は何を言っているのか訳がわからず、
聖書とは不可解なものだと思った。
確かに聖書は難しく分かりにくいところもあるが、
しかし素直に納得できる分かりやすい言葉もたくさんある。
座右の銘と言って、人は自分の心を励ましてくれる言葉を求める。
まだ、聖書を読んだ事のない人には是非いのちの言葉を聖書から見出してほしい。
「空の鳥を見なさい。種まきもせず、刈り入れもせず、倉に納める事もしません。
けれども、あなた方の天の父がこれを養っていてくださるのです。
あなた方は、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。」
マタイの福音書6章26節
私が始めて心にとまった聖書の言葉です。