自衛隊に入隊!? 【2】
憧れの横須賀!? ♫ 港のヨーコ・ヨコハマ、ヨコスカ〜
到着したのは、神奈川県横須賀市の外れにある陸上自衛隊武山駐屯地。
その中にある前期教育隊という所だった。
採用人数は120人くらいだったかな。
関東地区が主な募集範囲なので勿論ここに集められた新人隊員は、
関東や中部地方出身者がほとんどだった。
その中で青森県出身はやはり自分だけだったが、東北出身者が他に二人ほどいた。
自分が所属した班は40人で、その中で最年長だったので付けられたあだ名が「おっちゃん」だった。
18歳から20歳前後のまだ少年っぽさが残る若者に混じって24歳というのは、もはや若者の部類ではなかった。
一番最初に友達になったのは、埼玉県坂戸市から来た21歳のKだった。
顔も体も何かふにゃふにゃして、目も垂れ目で覇気がない。
毎日ダーラダーラしてまるでやる気無し。
彼に限らず、どこか腑抜けで一般社会でも通用しないと思われるような人が多かった。
(あくまで個人的感想)
自分は今まで、朝早くから夜中まで厳しい会社で働いて来たので、
その延長で頑張ろうと思って来たが、何だか彼らを見ていると自分まで腐ってくるように感じた。(失礼)
初日なのに、もうここから逃げ出そうとする者がいた。
よっぽど自分の予想と反していたのだろうが、
何も初日から脱走しようと考えなくてもいいではないか。
せめて1週間でも頑張ってみようと思わないのか。
2日目、3日目と日を追うごとに脱走計画を練る者が続出。
友達になったKもその一人だった。それから私が除隊(離職)する日まで毎日のように彼を励まし、
引き止める日々が続いた。
これが現代の日本の若者なのか!
入隊希望者は2年契約で入隊する。
だから余程の理由がない限り2年間は除隊出来ないので、夜中に隊内から脱走する者が後を絶たない。
日曜・祭日は基本的に休みなので外出許可を貰えればシャバに出ることができる。
ところが自衛隊に馴染まない者は外出先から帰って来なかったりする。
即指名手配?で捜索される運命にある。
自分は絶対にここを辞めて故郷にのこのこと帰るわけには行かない。
そんなカオス的な教育隊の生活が始まった。
学校と同じような時間割りなので、今まで出来なかった読書や祈りが出来て最高!
朝、6時にラッパとともに一斉に起床。
二段ベッドの前に整列し点呼。
毎日だったか記憶が曖昧だが、点呼の後グランドに行き全員集合してラジオ体操。
中隊長以下、幹部が勢ぞろいして報告や連絡事項の伝達。
その後、優秀な成績者の名前が呼ばれ、拍手喝采!そして昨晩の警備状況において、優秀な隊員は褒められる。
最後だったか自衛隊員の「4つの使命」を大声で叫んで終了。
、
朝会が終わるとお待ちかねの朝飯の時間だ。
我先にと食堂に駆け込む者、ゆっくり後から行く者、勿論自分とKはゆっくり余裕をかまして食堂へ。
噂では陸・海・空自衛隊の飯は、陸上自衛隊が一番不味いと聞いた。
他がどれほどかわからないが、なるほど美味しいとは言えない。
特にご飯はスチームで炊くのでイマイチだ。
しかーし、何せ国民の税金からのタダ飯。神様に感謝して『頂きま~す。』
8時30分から授業や作業が始まる。
何もかも初めてのことなので勝手が違って戸惑う。
異次元の世界につい、こんなんでいいのかな?と・・・続く