自衛隊入隊記 【3】
1978年4月10?日後期教育隊へ。
物心ついた頃から、どう言うわけか富士山に惹かれていく自分だった。
カレンダーの雄大な富士山の絵を見るとたまらない感動を覚えるようになっていた。
しかし、家には自動車があるわけでもないので田舎に生まれた私は遠くに出かけたことがなかった。
富士山がどこにあるのかもよく分からないので、
実際の富士山をこの目で見ることなど、夢のまた夢だった。
その当時の私の趣味は、とにかく地図を見ることと、富士山の写真を眺めることだった。
小学校5年生の頃、我が家にもやっと白黒のテレビがやって来た。
新年を迎えて元旦の朝、NHKの番組で、
多分ヘリコプターから撮った富士山を観て興奮した。
学校の授業中、ノートの最上部の縁と最初の罫線の間の余白に鉛筆で富士山の山容を描くのが日課だった。
どのページにも富士山の形のイラストを描きまくっていた。
クセといえばクセだろう。
とにかく富士山への憧れと言ったら半端ではなかった。
かれこれ20年もの間、ただの憧れだったリアル富士が、今私の目の前にドーンとある。
ただ夢見ていただけなのにそれが実現するとは!
主よ、あなたがここに私を導いてくださったのですか?
圧倒される大きさ、高さ、そして美しさに感謝、感謝、感謝。(涙)
晴れた日には、3階の屋上に上ってただ富士山を眺めるのが習慣になった。
・・・続く
「求めなさい、そうすれば与えられます。」聖書
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