私の人生 【7】プロポーズ
約7ヶ月ぶりの故郷に帰って来た。
やっぱり静岡の夏とは全然違う。
ここは本州最果ての地というが気候は北海道に似ている。
私の家から八甲田山が良く見える。
富士山とは比較にならない標高だが、北八甲田連峰と南八甲田連峰とそれぞれ八つの峰々が連なっていて、
四季折々美しい山々を子供の時から堪能してきた。
中学の時、学校で八甲田登山をした思い出が残っている。
厳しい寒さのため千メートルを超えると木が生えることが出来ない。
冬は蔵王と並ぶ樹氷が有名。
そのほか雪の回廊も素晴らしく、春スキーのメッカでもある。
また山麓には有名な酸ヶ湯温泉がある。
八甲田の南、ブナの密林を降って行くと蔦沼があり、
そこはこれこそ源泉掛け流しの木の板の床から源泉がブクブクと湧いていて
なかなか他では見ることが出来ない風情のある温泉である。
かなり熱いので上がってからもしばらく湯冷めしない良い温泉である。
蔦温泉からすぐ近くに蔦沼というブナ林に囲まれた沼があり、
遊歩道が整備されているので老若男女、気軽に散歩することが出来る。
晩秋の赤いブナ林と赤倉岳が水面に映ってとても美しい装いとなり、
カレンダーに採用されている絶景である。
さて、私は何のために故郷に帰って来たかと言うと、
実はここだけの話しだが兼ねてから手紙でお付き合いをしていた将来の花嫁とデートするためであった。
彼女を車で迎えに行き、奥入瀬渓流を散策し宇樽部キャンプ場で車を止めた。
周りには誰もいなかったので、二人でこれからのことを忌憚なく話し合った。
結婚を前提としたお付き合いをすることで合意した。
帰郷した後、仕事をどうするか二人で祈ってイエス様に求めていく事にした。
自衛隊は2年契約なので結婚は1年以上先になるだろうと思っていた。
御殿場に帰り、早速帰郷後の仕事を探し始めた。
次に続く・・・
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