祈り
ろうわの人よ
あなたの耳は生まれた時から音のない世界だったという。
自分の声すら聞こえないから
言語を習得する事も発声する事も出来なかったとの事。
読唇、手話、筆記、メールなど
他者とコミニュケーションを取る方法は年々進化しているが…
皆といても笑いの中に入れず、自分の思いを表現しようとしても
うまく伝わらないもどかしさ、じっといつも自問自答しているようにみえる。
今、様々な音にあふれているこの社会に生きてる私達には、
音のないあなたの世界を想像しようとしても、それはとても不可能だ。
無音がどんなにか孤独で不便か、私達には分かりようがない。
その上、あなたはさらに別の病を患い右手右足がマヒしてしまった。
二重苦、車イスとリハビリの日々。
しかし、あなたの手話の中に悲しみ、嘆き、自己憐憫はない。
左手で字を書く練習をして、イラストまで描く、片手で茶碗を洗い洗濯もする。
主よ、私達はひたすら祈り求めます。
この方の耳が開き、手足のマヒがいやされることを。
主よあなたは奇跡の神、出来ない事の無い神です。
主よ私達は信じてひたすら祈りこの方を支えたい。
主の手が臨むその時を待ちながら。
マルコによる福音書、七章35
「すると、彼の耳が開き、舌のもつれもすぐに解け、はっきり話せるようになった。」
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